بسم الله الرحمن الرحيم
―夢を見た少年―
むかし...むかし...。
ユースフという小さな男の子がいました。
彼には
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人の兄弟たちがいました。
ユースフは
とても美しく、とても頭のいい少年でした。
彼のお父さんのヤアコーブは、子供たちの中でも一番
ユースフの
ことを可愛がっていました。
そんな
ある夜...。
ユースフは、おどろくべき夢を見ました。
それは
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の星と太陽と月が、みんなユースフに向かって
ひれ伏
し
ている夢でした。
小さなユースフは、とても驚きました。
小さなユースフには、どうして星と太陽と月が
自分にひれ伏して
いるのか
わかりませんでした。
ユースフは、お父さんのヤアコーブの所に行き、
このおどろくべき
夢のことを話しました。
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ユースフは、言いました:
「お父さん、ぼくは夢の中で
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の星と太陽と月を見ました...。
それらは、みんな
ぼくに向かってひれ伏していました...」。
お父さんのヤアコーブは、預言者(よげんしゃ)でした。
ヤアコーブは、ユースフが見た夢について
とても喜びました。
ヤアコーブは言いました:
「ユースフよ、そなたの上にアッラーからの祝福があるように...
そなたは、いずれ偉大な人物となるであろう。この夢は、預言者
(よげんしゃ)性を
示すしるしなのじゃよ」
昔、そなたのおじいさんである
イブラーヒームやイスハークの二
人に
アッラーがお恵みをくだされたように、そなたやヤアコーブ
の子孫にも
お恵みをくだされたので
ある。
その時、ヤアコーブは
とてもお年寄りでした。
そして、人びとの性質を知っていました。
どのように
シャイターン(悪魔)が、人びとをそそのかすのかを
知っていました。
ヤアコーブは言いました:
「息子よ、この夢のことをそなたの兄弟たちに
話してはいけない
ぞ。彼らはそなたのことをねたんで、
そなたの敵になってしま
うから...」。
この本はアラビア語で子供向けに書かれたアブー・アル=ハサン・アリー・アンナダウィー著:「預言者たちの物語」を参照にして日本語に訳したものです。預言者たちの物語では勇気と忍耐、誠実さ、優しさ、謙虚さなど様々な側面を読んで学ぶことができます。本書はユースフ[ヨセフ](彼の上に平安あれ)の紹介です。